VR空間におけるテキスト入力のためのUI/UX考察
VR空間におけるUI/UXはまだ研究段階で多くの研究者および開発者が試行錯誤しています。 その中でもテキスト入力についていま存在するUI/UXを見ながらどんな要素が必要なのか考察していきます。
著者はUI/UXの研究者ではなく、 あくまでいち開発者の視点から考察していきますのであらかじめご了承ください。
VR空間におけるテキスト入力のためのUI/UXの代表例
まず現在VRで使われているテキスト入力のためのUI/UXの代表例を挙げてみます。
コントローラからのレーザーポインタ
コントローラから出たレーザーポインタで選択し入力する
撮影元:VRChat
物理的に押す
バーチャルな指やコントローラなどでバーチャルキーボードを押すことで入力する
手の回転を使う
手を回転させて文字を選択し入力する
フリック入力
特定の方向にフリックすることで入力する www.youtube.com
手にキーボードをマッピング
親指と各指をあわせることで対応した文字を入力する
現実空間でのテキスト入力から考えるVR空間でのテキスト入力
私たちが暮らす現実空間ではどんなテキスト入力が使われているか見てみます。
パソコン:キーボードを物理的に押す スマートフォン:フリック入力
共通点として
手自体は定位置にある
手から近い位置にある
指を動かして入力するため小移動である
が挙げられます。
私はVRにおいてもこれが重要な要素になるのではと思っています。
VRにおいて空間的な入力が可能であるため腕ごと動かして入力できますが、 上記の要素に従えば、VR空間でも文字入力においては手は小移動の入力が良いと思われます。
現在、多く使われているレーザー式の入力がこの要素を持っていると思います。 別の文字を選ぶ際には手首を動かして角度をつけるか、腕を少し動かす程度の移動です。
これは「手自体は定位置にある」や「小移動である」はある程度満たしていると思います。
また、この入力方法は入力のために遠距離にあるバーチャルキーボードのキーにレーザーを狙う必要があります。 そのためキーに照準を合わせる必要があり、これがスムーズな入力を阻害し、負荷になっている可能性があります。
現実空間のテキスト入力の要素の一つである「手から近い位置にある」も満たし、スムーズで負荷が少ない入力が求められます。
現在、現実空間で使われているUI/UXでは上記であげた要素以外にも様々な要素が含まれています。 これを分析して、それを満たすUI/UXがVR空間においても広く使われていくのではないかと思います。